反抗期(第二反抗期)その1

小学校高学年から中学生の思春期に表れるのが第二反抗期と呼ばれている時期です。基本的には第一反抗期と同じで、原因は不安なのですが、この時期の反抗期の厄介な点は体が大きいこと、ひどい言葉の語彙が多いこと、何よりも要因が複雑に絡み合っているということです。第一反抗期は親と自分の世界で済んだのですが、成長するにつれ世界が広がり、親との関係だけではなく、自分が生きている社会全体との関わりの中から生じる問題を抱えます。学校でクラブ活動などが始まると、友達関係だけでなく先輩後輩の関係も生まれ、親の言うことは聞かなくても、先輩の不条理な事には従わなければならない場面も出てきます。「ずるいことはいけない」、「いじめはいけない」と言われてきても、実際に目の当たりにする機会もたくさんあります。先生に相談しても、以前の様に絶対的な力で正してくれないし、それどころか先生や親の言っていることも実際には矛盾だらけで信用できない。そんな矛盾からくる不安や葛藤を抱えている上に、さらに自分自身も理想の自分と現実の自分の矛盾をまざまざと思い知らされるのです。こうなるとむかつきホルモンが体内から最大限に放出され、ついつい反抗的な行動になってしまうのです。

このように、反抗期を迎えた子どもは大きな不安や葛藤を抱え生きています。忘れがちなのは、彼らは言葉や体格は大人に見えても、心の中は未熟でまだ子供だということです。一連の問題を一人で抱え、解決しようともがき苦しんでいるのです。覚えたての言葉を使ってみたら、周りと仲良くなるどころか想像以上に離れていく状況に戸惑いを覚えます。その対処の仕方が分からず、これ以上傷つかないように自分の殻に閉じこもり「ほっといてくれ」とか「悪いのは全て大人で自分は正しい」と考え、自分を守るのです。最大の防御は攻撃です。そしてやがて手が付けられないと思えるような状況に陥っていくのです(次号に続く)