精一杯の自立

「命の責任は自分で持ちます」何気無く見ていた映画のこのセリフが、ふと心に突き刺さりました。筋ジストロフィーを患っている主人公が自宅で自由に暮らすために主治医に言った言葉です。自分の命は自分で責任を持つという当たり前のことが、命に関わる場面において、自分の主治医に対して言えることがすごいことに感じました。自分の命だけではなく、自分の人生全てにおいて、その責任は自分で持つものだと再認識しました。人生は幸せにするのも不幸にするのも自分の選択次第ということです。

では、幸せな人生を送るためにはどうすればいいのでしょう?第一歩は「幸せになる」と決めることです。しかし、どんなに幸せになると決めても悩みは出てきます。心理学者アドラーは「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」と述べ、その解決方法は課題の分離であるとしていますが、私はその課題の分離の根本こそが自立だと思います。これは自分で何でもしなければいけないと言う事ではなく、自分が出来る限り自立を目指すと言う事です。自分の事を精一杯自分でしようとすると、自分で出来ないこと、苦手なことが見えてきます。出来ないことは、苦手なことは、それが得意な方にお願いし、自分が得意なことをお返しすればいいのです。自分が出来ることをせずに、他人に頼ろうとすると「もっとこうすればいいのに」などとイライラした気持ちになります。反対に、自分自身で精一杯の自立を努力し、自分に出来ない所をやって頂くと、自分がやるよりもはるかに上手く短時間でやってもらえ、感謝の気持ちでいっぱいになります。

私は仕事において、どうすればもっと子どもたちを幸せにできるのかを常に考えていると、アイデアはいろいろ出て来ても自分では出来ない事だらけです。それを一つ一つ先生方が自分よりもはるかに良い形で実現して下さり、そのおかげで現在のイーズが成り立っています。教育の目的も子どもたちに精一杯の自立の方法を教えることだと思います。それが、幸せになる方法の一つだと思います。