幸せになるために

小児は白き糸の如し、なんて申しまして、お子さんというのは、生まれた時は、真っ白な糸なんだそうで、それが、親御さんの教育ですとか、周りの環境によっていろいろな色に染まっていきます。」真田小蔵と言う落語の枕でこんな一説がありました。その通りだと思います。私自身も子どもたちと多くの時間を過ごしていて確信のようなものが生まれてきました。それは、「人は幸せなるために生まれて来た。」と言うことです。どんな風に生まれて来ても、初めは幸せになるようにプログラミングされているのだと思います。しかし、成長するに連れて、潜在意識なのかに刷り込まれてきた生命保存のための競争意識の様なものが芽生えだします。この気持ちを成長させてしまうと、相手を蹴落として自分が生き残ろうとする気持ちが生まれます。そうすると相手にもこの気持ちが有ると思い不安の気持ちを呼び起こすのではないでしょうか。そこから思い通りにいかないと怒りや落胆が生まれます。この不安、怒り、落胆が、せっかく幸せになるためにプログラミングされていたものを破壊し、不幸になるプログラミングを作ってしまうのです。不安や怒りは冷静な判断ができなくなります。自分に悪意があるから相手も悪意に違いないと思い込んでしまい余計な力が入り幸せに運んでいたはずの物事が、そうでない方向に進んでしまうのです。

 幼児教育で大切なことは自分が愛されていること、大切に思われていることを十分に知らせる事だと思います。「あなたはとても価値があって素晴らしい人間なんだ。」と言葉や態度全てを使って伝えていかなければなりません。それが幼稚園や保育園の先生の役割。もっと責任を持っているのは親の役割なのです。それができていないのなら、自分を変えてください。自分を変えることができないのなら、誰かにお願いをしてください。難しい問題だとは思いますが、親にその気持ちがないのであれば国や公共の機関が責任を持って引き取るべきだと思います。これ以上悲しい事件を増やさない為に。子どもたちの今と未来の幸せのためにできることを精一杯考えていくことが大人側の責任です。