一番の戦略は戦わない事

意見の違いがあった時、目的を忘れて戦ってしまうことが良くあります。プライドや意地の張り合いになってしまうと、結論はなかなか出ませんし、やっと落としどころを見つけたとしてもお互いに気分は悪いものです。親子喧嘩、夫婦喧嘩はその様な類のものがほとんどでしょう。「知性を磨く」と言う本の一説に「戦略」とは、「戦い」を「く」こととありました。つまり喧嘩で戦って相手を打倒し勝つのではなく、いかに戦わずに気持ちよく納得させられる方法を考えるかが戦略と言う事になります。

たいてい子どもを叱る時はもう既に叱る準備が出来ていませんか? 例えば、子どもがまだ宿題も終わってないのにゲームをしていると、叱りたいという気持ちがむくむくと湧いてきて「宿題は終わったの?」とつい喧嘩の引き金を引いてしまいます。こう言われると、子どもは怒られたくないために「終わったよ」と、とりあえず一時凌ぎの返事をします。そうなると子供を嘘つきと叱る戦が始まり、このように叱られた子どもはすっかりやる気をなくしてしまいます。この場面で戦略を立てるのであれば、ひと区切りついた頃にお菓子でも持っていき、一言「宿題で困ったら手伝ってあげるよ」くらいに留めておきましょう。

「うちの子は放っておいたら何もしませんよ!」

とのお声もありますが、親が子どもにする一番の仕事は子どもを自立させることなので、その目的を達成するには、「自ら考えて行動し責任を取らせる」しか方法はないのです。これができないと将来一番苦労するのは、愛する我が子なのです。叱りたいときそれを我慢することは簡単ではありません。でもその時に気付いてほしいのです。実は、子どものために叱っているのではなく、自分が叱りたいから叱ったのだと。子どもを変えようと思ったら、先ずは自分の意識を変えてみると、もっと子どもの素晴らしさにも気付けるようになります。自分も子どもも家族全体が笑顔になれるはずです。