言葉の力(母語の大切さ)

人に言われて嬉しい言葉と、悲しくなる言葉があります。ありがとう。助かるよ。大好きだよ。君がいてよかった。などは、とても嬉しくなり生きる力が湧いてきます。逆に嫌い、くさい、汚い、見たくない、などと言われれば暗い気持ちになり、言われ続ければ生きている事が嫌になると思います。日本では古来から言葉の力を言霊と言って見えない力を信じてきました。言葉に霊力が有るかどうかは私には分かりませんが言葉を発した人の気持ちが何らかの力となって伝わり、影響を与えるものだとは思います。仕事柄、子どもたちに声を掛けられたり掛けたりします。おはよう、待ってたよ。よくできたね。君のおかげで助かったよ。と善い言葉を掛けていると子どもたちの顔はみるみる輝いてきます。ですから、言葉は丁寧に選び使っていかないといけないといつも思っています。

イーズはジャパニーズインターナショナルスクールとして子ども達へグローバル教育をしています。英語に関しては沢山の単語やフレーズを覚える事よりも、英語の先生と英語で関わっていく中で愛情や信頼が生まれ、大きくなって行く体験を大切にしています。結果として英語を使う事が楽しくなり自然に会話ができる様になったり、自分と違う文化に抵抗が無くなり異文化を取り入れられる様になったりします。しかし、日本人のグローバル化を目指すにあたって一番大切な事は、きちんとした日本人になる事です。母語である日本語を大切にすると言う事です。それは日本人としての価値観や感覚を育てるだけでなく、思考力や想像力を豊かに育む為でもあります。人間の脳は4歳くらいまでに母語の文法や論理的に思考する脳が作られ、その後は母語が豊かになるにつれ思考力、想像力が発達していきます。つまり、2つの言語をバランスよく育てながら思考力、想像力を豊かに育む為には日本語が1番で英語は2番と優先順位を決め関わる時間や量を調節しなければなりません。英語に偏り過ぎることはとてもリスクが多くなります。

幸せになる土台は言語の豊かさです。未来を想像したり、悲しみから自分を救い出したりするのも言語が中心です。子供たちが心豊かに幸せに成長して欲しいと心から願います。