エゼクティブファンクション

インターネットの番組でお茶の水女子大学内田名誉教授が話しておられました。「IQ は将来の年収や幸福度に影響ない。肝心なのは非認知能力(社会性・感情をコントロールする力・実際に取り掛かる実行機能)。幼児期から小学校低学年の遊び・生活がどういうものであったかで(幸福度が)決まる。」というものでした。

遊びと言っても、興味と関心を持って熱中出来る様な遊びなのだと思います。本来、遊びと学習は同じものです。子どもたちは学ぶ事が大好きです。学びたいものを学びたい様に学んでいるのが遊びと言われ、大人の指示に従い、大人の求める答えを出す訓練を勉強といっている様に思います。

私の父の時代は小説を読む事は娯楽とみなされ、そんな暇が有ったら働け!とどやされたそうです。今は子どものビデオゲームが遊びで、宿題のプリントが勉強との認識になっていますが、e スポーツに代表される様に段々とそれも今までとは違う捉え方をされ始めています。市場規模は 2021 年時点で1000億円を超えているそうです。

ビデオゲームが無駄な遊びと言われる時代は終わっているのでしょう。時代は今までよりも急速に変化をして行きます。つまり、今までの概念は直ぐに通用しなくなるという事です。未来の予測も今まで以上に難しくなっています。ただ言える事は、何が起こっても不思議ではない時代になってきているという事です。ですから、臨機応変に対応していく能力が必要です。

過去のデータの蓄積能力より、非認知能力の中でも未来に向かって、エグゼクティブファンクション(実行機能)を伸ばす事が価値のある時代になって来ています。そのため、やりたい事をいっぱいやらせましょう。小さな思い付きや興味でも良いので、やらせましょう。直ぐに飽きても大丈夫です。またいつか戻ってくる時もありますし、目的は沢山の経験をする事です。

いっぱい考えて、いっぱい感じて、頭と心を十分に鍛えてほしいのです。自分で考えて自分で判断して自分で行動する。そして自分で価値基準を作っていける大人になってほしいのです。それが賢く幸せになる唯一の方法です。

エグゼクティブファンクション
「実行機能(エグゼクティブ・ファンクション)は、作業記憶、柔軟な思考、および自己制御における一連の自己管理スキルです。 目標を決め、計画を立て、作業に優先順位を付け、気を散らすものを排除しながら、最後まで感情と衝動的な行動を抑制する、すべての過程を管理する脳のコマンドセンターとも言えます。」
(https://ja.optimalminds.net/executive-function-adhd)より

2023年4月27日
園長 峯村敏弘