「素直になろうよ2」えんちょうだより まんごの木

息子が学校から帰宅、食事をし、そのままテレビを見続けていました。そのことを知りつつ妻が「宿題は終わっているの?」と聞きました。「う、うん。終わっているよ。」とぼそぼそと返事をした息子。その番組も終わり、そそくさと勉強を始めました。妻が「あなたさっき宿題は終わったって言ったじゃない。嘘をついたのね!」当然の如く言い合いになります。

両方の気持ちがわかります。しかし、これは嘘を言った事になるのでしょうか?子どもはテレビを観ている時に「宿題が終わっていない。」と返事をしたらテレビを消されてしまうことは経験として知っているのです。つまり、どんな状態でも「終わった」と言うのです。

嘘つきなのは知っていて知らないふりをしたお母さんではないでしょうか。宿題をやっていない事を知っているお母さんは素直に「そのテレビ終わったら宿題やっちゃおうね。」と言った方が良いのです。お母さんも本心は子どもを責めたいのではなく、子どもに勉強をしたり、提出物をきちんと出せたり出来る人間になってほしいのです。子どもの未来を幸せにしたいと思う気持ちが素直な気持ちなのです。でも、何故か素直な自分の気持ちを見失ってしまっているのです。思いは純粋で素直なのについつい相手を責める言葉や嫌がる言葉を使ってしまいます。

多分その裏には「もっと私の気持ちを分かってよ。」という思いが強いのではないでしょうか?お母さんが貴方のことを大切で大好きでいつも思っている事を分かってよ。それなのに貴方は人の気も知らないで...。と愛情がひねくれた形で表現されるように思います。素直に心のままを言葉に表すためにはトレーニングが必要になるのでしょう。自分自身も人を責めるような言葉、傷つけるような言葉を使わないように心がけたいです。使ってしまったら謝るべきでしょう。直ぐには治らなくても 10 回の内 1 回でも 2 回でも減らすことが出来たらいいですね。人を責めたり、怒りの言葉は確実に幸せの種を減らしていくことを忘れずに楽しい関係、嬉しい関係を広げていきたいですね。

2017年7月25日
園長 峯村敏弘