「感謝、感謝、感謝」えんちょうだより まんごの木

2017年度卒園式が無事終了致しました。毎年の事ではありますが、一人一人の卒園生に卒園証書を手渡す度に「もっとしてあげられた事があったはずなのに」とか「もっともっと愛情たっぷりに出来なかったのか?」などの反省と申し訳ない気持ちで恥ずかしくなります。そんな気持ちと裏腹に、卒園児たちは元気一杯の笑顔で、眩しいばかりに輝いている姿を見ると、とても誇らしい気持で胸がいっぱいになります。

今回、特に嬉しかったことは卒園生の笑顔もさる事ながら、ご両親の子どもたちへの心配りに触れたことです。舞台の上で集合写真を撮る時に、なかなか準備ができない園児が一人いました。他の園児はもう準備万端で待っています。ただその園児待ちの時間が流れました。園の方針は焦らずできるだけ待つのですが、ご両親にとっては我が子の晴れの卒園式なので問題なくスムーズに進んで欲しいと願っていたはずです。1分、2分と時が経過し、その子はやっと立ち上がり、参加することが出来ました。皆さん、さぞかしご立腹の事と思いきや、思いがけず皆様からの温かい拍手が自然に湧き上がりました。この瞬間、子どもたちだけではなく、お父様お母様も含めたイーズ家族の輪の絆が強くなった気がしました。遅い事、出来ない事を非難するのではなく、みんなで応援し励ましあって心が一つになりました。ご両親に感謝、子どもたちに感謝、スタッフ一同に感謝です。こんな有り難い場面にいることが出来て、幸せを感じました。

人生の生きる目的は「幸せになること」ではないかと思います。いくら競争に勝っても誰にも喜ばれない様な勝ち方をしては、幸福感や達成感を感じることは私には出来ません。オリンピックの選手がメダルを取って喜べるのは正々堂々と真正面から戦って勝つので、多くの人を感動できるのではないかと思います。どんなに仕事を成功させても、どんなに偉くなっても、狡い事、卑怯な事をして得たものでは後ろめたさから安心して暮らすことは出来ません。生きる目的は競争に勝つことでも、無駄なく時間を過ごすことでもなく、家族や友人とどれだけ豊かな時間を過ごすことだと思います。どうしたら、どう考えたら、自分の周りの人々の笑顔につながるかを基準にして物事を考えたら、幸せの種は増えるのではないでしょうか。

子どもたち一人一人が幸せを目指し、つかんで欲しいです。生き生きのびのび、自分らしく心豊かに成長して欲しいと心から願っています。どんな辛いことがあっても、それを乗り越え、さらに嬉しい事がたくさんあります様に、いつも、いつまでも神様が守ってくれます様に、毎朝、毎朝、私は祈ります。

2018年3月14日
園長 峯村敏弘