子どもに選ばれた親 1・2 園長ブログ マンゴの木陰

子どもたちを幸せにする為に、お父さん、お母さん、が出来る一番大切な事は何でしょうか?それは、お父様、お母様自身が明るく幸せであることです。

サーキットブレーカー中、子どもたちが、この環境を受け入れる事は難しいと思います。
そして、愛する子どものために何とかしてあげたいにもかかわらず、何ともできない現実に直面し、その怒りとやるせなさでご両親のストレスは更に大きくなっているものと思います。

そんな時だからこそ、優しい気持ちになるために子どもの生まれて来た時の事を思い出しては如何でしょうか?

生まれた前日は何処で何をされていましたか?陣痛が始まった時は何をしていましたか?何時頃どの様にして病院に行かれましたか?どんな風に生まれましたか?陣痛の痛みに耐えながら、何が一番心配でしたか?何を願っていましたか?子どもが生まれた時、初めに誰に何と言いましたか?思い出してみてください。
きっと優しい気持ちになれると思います。

「子どもに選ばれた親1」は脳性小児麻痺で苦しんだ姉と両親を思い、「子どもに選ばれた親2」は自分の息子との事を書きました。
少しでもお子様とご自身に優しくなれれば幸いです。(2020年5月14日)

 

子どもに選ばれた親 1(2007年10月)

先日、ハロハロ(療育のボランティア)でバーベキューをしました。
子ども達、お父様、お母様、ボランティアの方々。
楽しく穏やかな時を過ごしました。

大久保代表率いるボランティアとその家族もさることながら、集まったご家庭のすばらしいこと、本当によいご家族ばかりです。
そんなご家族の様子を見てある詩を思い出しました。
エドナ・マシミラ作「天の特別な子」という詩です。

この地のはるか遠い天で、こんな会合がもたれました。

「さあ、次の赤ちゃんが生まれる時が来ましたよー」と天使達が言いました。

「ああ、でも主よ、この子には特別な愛とケアが必要です。

この子の成長は少しばかりゆっくりで色々な事が出来ないかもしれません。

彼が地上で出会う人々には色々お世話にならなければなりません。

彼は他の子のように走ったり遊んだり上手く考えられないかもしれません。

わからないことや、出来ないことも多いでしょう。

だから、私達はこの子をどこに送ろうか慎重に決めなければなりません。

彼がこの地上で最高の幸せをつかむ為に、主よ、あなたに代わってあなたのようにこの子を愛し育ててくれる最高の両親をどうか探してください。

この子が生まれたとき、その両親は特別な使命に最初気がつかないでしょう。

しかし、この子は天から送られた子であって、この子を通し、彼らはさらに強い信仰と豊かな愛を抱くようになるのです。

天からのこの素晴らしい贈り物を愛し育むことによって彼らはすぐにその与えられた最高の特権に気がつくことでしょう。

彼らに委ねられた、このあまりにも柔和で穏やかな尊い授かりものこそ、天の特別な子なのですから」

障害があるとわかってから、たくさんの心配があったでしょう。
たくさんの不安があったでしょう。
受け入れるまでに果てしない落胆の日々があったでしょう。

私の姉も障害を持っています。
お人好しの父と頑張る母、姉もやっぱりこの父と母を選んだのでしょう。
父は他界し、一人で暮らす母にとって、100%の愛情を受け入れる姉の存在はとても大きなものです。
親孝行を一番しているのは兄でも自分でもなく、障害を持った姉のように思います。

障害を持って生まれると言う事は、人と違う苦労は多少増えますが、決して不幸なことでも、かわいそうなことではありません。
子育てはどんな子どもも苦労はつき物です。
それをどのようにうまくよい方向に考え乗り越えるかが大切なのだと思います。

子どもに選ばれた親 2(2007年11月)

最近の高校生は他人をほめることがとても下手なそうです。
自分自身もほめられると、どのように反応していいのか分からず不思議な気分になる子どもが増えているそうです。
ほめられた経験が少ないのです。

愛を表現された経験も少ないのではないでしょうか。
子どもが小さなうちはすべてが可愛く、いるだけで心が安らぎ愛情もかけやすいのです。
歩いたり、喋るだけでほめることも簡単に出来ました。
誰と比較することなく、その子どもだけを見つめ喜べたのです。

しかし、体も大きくなり声も変わり、口から出る言葉は反抗的なものばかり、どこをどのようにほめようか、愛そうか考えてしまいます。
そんなときに思い出してください。
子どもが自分たちを選んでくれたことを、自分たちを頼りに天から来たことを。

子どもを叱りたくなったとき、しっかりと子どもの目を見つめましょう。
すると、この子が私たちを選んでくれたことを思い出します。
感情的にならずに話ができます。
子どもも聞く耳を持てるようになります。
良いところが見えてきます。
愛おしくほめるべきところがたくさん見えてきます。

我が家の息子は反抗期真っ盛りの中学1年生、腹が立つことばかりでも、それでもやっぱりとても大切な宝です。
瞳の奥から伝わってくるものは幼いころの親を求める純粋な彼の心です。
選ばれたわれわれ親はそのことに恥じないようにちゃんとしているでしょうか。

いまでも選ばれる資格があるでしょうか。
子どもの問題は殆ど親が原因を作っています。
悪いのは親なのです。

親自身が自分を見つめなおさなければいけないのです。
子どもを変えるためには親が変わるしかないのです。
さて、どこからはじめましょうか。

息子と顔を合わせたときに、文句からではなく、ほめることからはじめてみようと思います。
(後日談、息子と肩を組もうとしている父に息子いわく「お父さんもそろそろ子離れしなきゃね。」だそうです。)


カワセミ