愛情を伝える能力[2]

「愛情の伝え方1」の続き

子どもに対する愛情の伝え方も感情的に湧いてきた気持ちで行動しても伝わるものではありません。親になったからといって自然に愛情を伝える能力が身につくのでは無いからです。

子どもが様々な能力を失敗しながらも繰り返し、身につけていく様に、親も失敗を繰り返しながら、子どもを愛する技術を身につけていかなければならないのです。この技術よりも感情を優先してしまうと、あなたのためだから症候群=過干渉になってしまい、愛情を無理強いして親子共々、自立を阻害し幸せにはなれません。

賢い愛情の伝え方を習得してください。観察し、自分の子どもは5つのタイプ(先月号)のどれに当たるか観察してください。子どものタイプを知った上で、その伝える技術を習得するポイントは、「子どもは親の言った様にはならない。親のやった様に育つ」という事です。言っても意味が無い、やって見せなさいと言うことです。

自分の行動が子どもの思考と行動に影響を与えることを意識すれば、子供への接し方に気をつけます。反射的に行動しないで冷静に子どもを見て判断することができるようになります。また子ども自身も親の姿を真似しますから、愛情を伝える技術が身につきます。自分の経験から子どもが成長するよりも親が親として成長する方が難しいように思います。

感情的に怒鳴っても何も伝わらず、子どもが傷つくだけだと気がつくまでにかなりの時間が必要でした。自分が親だから正しいなんて事はありません。もしも、叱る時と場所とタイミングを考えられていないのであれば、それだけで冷静ではなく間違っていることが明らかです。

大人が怒ると子どもは恐怖から前頭葉が萎縮してしまい、何も考えられなくなるそうです。つまり、怒られた恐怖の経験をしているだけで何も伝わっていないという事です。

何が起こるかわからない未来で、子どもたちが幸せに暮らすためには、いつでもどこでも誰とでも心が通じ合い、楽しく暮らしていける愛情を伝える能力を身に付ける事が一番大切なのです。そして違いを乗り越えて、みんなが大切な仲間である事を忘れなければ明るい未来を切り開けるのです。

2023年7月25日
園長 峯村敏弘