幸せな人間関係[1]- まずは肯定から

アドラーは人を不幸にするのも幸せにするのも人間関係だと言っています。私の仕事は多くの方々と人間関係を作ることですが、子供との関係以外は、あまり好きではありません。そんな自分がなんとかやって来られているのは、一つの法則を決めているからです。それは、健全な人間関係を構築するために「肯定から人間関係を構築する事」です。

もちろん一番良いのは、瞬時に相手を的確に判断する事ですが、私には全くそんな能力はありません。それを補う為には先ず肯定的に相手との付き合いを始めるという事です。肯定的に相手を見るという事は、悪意を持たず、対等な人間関係で、相手の言葉を信じ、自分も思った通りのことを正直に話すことだと思います。

言い間違いや勘違だけでなく、考えが話している内に変わってしまった場合にも直ぐにその事を伝えます。正直に話して、真っ直ぐに相手の言葉を受け入れていると、かなりストレスは軽減されますし、冷静でいられて、相手をよく理解する事ができます。そして健全な関係が出来れば、仕事でも、課題でも、お互いに 100%近い力が出せるという事になります。

疑われた関係からでは、やる気は薄くなりますし、騙したくなるような気持ちも湧いてくるかもしれません。これは初対面の人にだけではなく、長く続いた人間関係においても、同じで、常に肯定から話を始めるべきです。提案なり意見なりをまるごと受け入れ、そこから、余程の問題点があれば議論しますが、出来る限りその人の思いを変えない方向で進め、見守る事が良いと思います。

自分の意見が採用され任されている実感が湧けば主体的に責任を持って取り組んでくれるからです。気持ち良く新たな能力も発揮されます。そして、その関係が繰り返され続けば、家族とは違った意味での運命共同体の絆ができます。信頼し合え、素晴らしい能力を持った人たちの中で仕事も生活もできることは、この上もない幸せです。

63歳になって「幸せな人間関係」の作り方の法則が、少しだけわかってきた様に思います。みんなで成長していきたいですね。

2023年9月25日
園長 峯村敏弘