
人生を豊かにするためには、勝ち負けにこだわるよりも、自分なりの満足感や楽しみを追求することが重要だと思います。
先日のファミリーファンデーでは、運動会の一環として卵を乗せた箱を引っ張る競技が行われました。親子で鶏の格好をした箱を引きながら、卵を 6 個乗せてゴールを目指すというルールでしたが、子どもたちは結果や勝敗に囚われることなく、自由に楽しんでいる様子が印象的でした。卵を一つ一つ丁寧に並べる子や、卵の色を楽しみながら乗せる子、他のチームの声援に関わらずマイペースでゴールを目指す子など、個々のスタイルで競技に取り組んでいる姿はとても微笑ましく、勝敗よりもその過程を楽しむことの素晴らしさを感じました。
この光景を見て、オリンピックのような大舞台でも、こうした「楽しさ」をもっと重視できれば良いのではないかと思いました。もちろん、プロスポーツや競技の世界では勝敗が重要です。しかし、その舞台に立つ選手たちの中には、勝ち負けに固執せず、自分自身の向き合い方を重視し、技術や努力そのものを楽しんでいる人々もいます。
例えば、大谷翔平選手や羽生結弦選手は、どれほどのプレッシャーに晒されても精神的に強く、自分の道をしっかりと進んでいます。彼らは勝つことだけを目標とせず、自分が納得できるパフォーマンスを追い求めています。その姿勢は、私たちが学ぶべき重要な教訓です。
また、タイガー・ウッズも勝利だけを追求するのではなく、フェアプレー精神を大切にする選手の一人です。2008 年の全米オープンのプレーオフで、ウッズは怪我を抱えながらもロッコ・メディエイトとの激闘を制しましたが、彼は相手の良いプレーを称賛し、相手が最高のパフォーマンスを発揮することを願っていました。ウッズは「相手の失敗を望むのではなく、相手の最高のゴルフを見たい」と考えていたといいます。このエピソードは、彼が単なる勝者以上に、スポーツマンシップを体現していることを物語っています。
これらの例から学べるのは、人生において勝ち負け以上に、自分なりの価値や喜びを見つけることが大切だということです。子どもたちが卵を並べる競技で楽しんでいた姿や、タイガー・ウッズが相手の成功を祈る姿勢、大谷翔平選手が自分の技術や努力に没頭する姿勢は、すべて比較や結果に縛られず、自分自身のスタイルで人生を楽しむことの重要性を教えてくれます。
現代社会では、金銭的な成功や他者との比較に囚われがちですが、それらを超越したところに本当の幸せがあるのではないでしょうか。豊かで充実した人生を送るためには、自分自身に真摯に向き合い、他者を尊重し、フェアに生きる勇気と価値観を育むことが不可欠なのだと思いました。
子どもたちの弾けるような笑顔からたくさんの事を学ばせてもらっています。子どもはいつも素晴らしい。
2024年11月4日
園長 峯村敏弘