辛い事をすれば報われるなんて嘘②(グッドハートの法則)

「辛い事をすれば報われるなんて嘘」

これはある全盲の金メダリストが残した言葉です。彼は、どれだけ努力しても金メダルに届かず、一度は挫折を感じました。しかし、ある日、およぐことが好きだった自分を思い出し、純粋に泳ぐことの楽しさやその瞬間を味わいながら練習を重ねた結果、金メダルを獲得することができたのです。

では、何もせず怠けていても金メダルが手に入るのかというと、それは違います。経験を通じて、自分がその未来に向かって進んでいると実感することが大切なのです。人はなぜ努力するのか。それは、目標に到達できるという強いイメージを持つことができるからだと言います。

この「鮮明なイメージ」が、行動を支える原動力となるのです。しかし、ただ寝転んで漫画を読んでいるだけでは、そんなイメージは湧いてきません。多くの努力を積み重ねるからこそ、「自分ならできる」と感じ、その実感が現実への道筋となるのです。

ただし、金メダルを取ることだけを目的にして、「取らなければ恥ずかしい」「日本国民の期待に応えなければ」などと考えると、そのイメージは不安や恐れを伴い、かえって失敗につながります。他人の期待や比較に縛られると、否定的な感情が強まり、良い結果を引き寄せるのが難しくなるのです。

一方で、その競技自体を楽しみ、自分自身の目標としてタイムを縮めることに喜びを感じられるようになると、自然とポジティブなイメージが強まり、それが現実の成果につながるのです。

「嫌なことはしない」それでいいのです。しかし、その代わり、自分が心からやりたいと思うことに全力を尽くしてほしいと思います。他人との比較ではなく、少しの成果でも自分自身の成長を喜び、それをモチベーションにすることが大切です。

親や先生は、努力を認め、「あなたならきっとうまくいく」と励ますことが、子どもにとって最大の応援になり役に立つのです。「大丈夫、あなたなら必ずできる」この一言が、未来を切り開く鍵となるのです。

2025年3月13日
園長 峯村敏弘