キーワードは「面白そう」

ヘックマン著『幼児教育の経済学』では、非認知能力を豊かにすることが、これからの時代において高い収入を得るための鍵であると述べられています。

非認知能力とは、共感力や創造力、忍耐力など、学力テストでは測れない能力のことを指します。これを高めることは、広義において感性を豊かにすることと同義であり、結果として、より幸せに生きることにつながります。そして、幸福感を持って生きることが、経済的な豊かさを実現する確率を高める最良の方法であると考えられます。

感性の豊かさとは、本当に美しいものや本当に幸せなものを心から好きになることです。これは、単に一般的な美的価値を追求するのではなく、自分自身の価値観を定義することに他なりません。自分の価値観を確立することで、それは他者と比較できない「絶対的価値観」となります。

人生は、この絶対的価値観を磨くためにあるのではないでしょうか。こうした目的意識を持てば、困難に直面したとしても、それを単なる試練ではなく、成長のための貴重な経験として捉えることができます。すなわち、恐れずに挑戦し続けることが、人生を充実させる秘訣なのです。

失敗を恐れて挑戦しないことこそが、生きる意味を見失う最大の要因です。しかし、想像とは異なる結果になり、「失敗した」と思った時に大切なのは、前向きな視点を持つことです。その際のキーワードが「どうなるんだろう。面白そう」です。たとえ意図しない状況に陥ったとしても、「面白そう」と自分に言い聞かせることで、状況を楽しむ心の余裕が生まれ、結果として事態が好転していくことがあります。

私もかつては根も葉もない噂を立てられたり、人に裏切られ大きな負債を抱えたりし精神的にも追い詰められたこともありましたが、挑戦し続けたことが解決の唯一の方法でした。思い描いていた道とは異なっても、自分が進むべき道が別の形で存在する事を信じる事が、問題解決の鍵となるのです。

可能な限り、困難から逃げるのではなく、正面から立ち向かい、「面白そう」と呟いてみましょう。その一言が、必ず未来を切り拓く力となるはずです。

園長 峯村敏弘

園長ブログ「マンゴの木陰」を更新しました。過去のコラムも是非ご一読ください。
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