気持ちのいい生き方① 覚悟を決める

高校生の頃から家業の印刷工場を手伝っていました。父親に対して態度の悪い息子だったので、工場に入る時は不貞腐れた態度で、嫌々機械を動かしていました。

そんな息子に父は

「嫌々やるならやるな!怪我をするぞ!」と怒鳴り、

自分は「うるせーなー。態度の悪いのと怪我と関係ねーよ。」

とブツブツ言っていた瞬間です。

落ちたものを拾おうとして、頭を機械のまわっているハンマーに思い切り殴られて目から火花が飛び散る経験をしました。誰にも見られていないことを確認し、そっと台所に行き氷で冷やしました。何事も覚悟を決めてやらないのであれば、止めて寝ていた方がいいのでしょう。頭をかすめたからまだ冷やす程度で治りましたが、もう少し機械に近づいていたら大けがになったに違いありません。やると覚悟を決めたらあとは楽しく仕事に向かいたいと思いました。その後、楽しくなるためには真剣に取り組むことだとわかりました。どうすればもっと効率よく質の良いことができるのか、考えて実行し調節していくと次から次へと興味深いことが見つかり時間もあっという間に過ぎてしまいます。残りの紙の枚数によって紙の補充に動き始め、それまではできた印刷物をまとめ、と次から次へとやるべき仕事が見えてきます。ブツブツ文句を言いながらやるよりもはるかに楽しく自分に自信が持てることを知りました。工場の仕事だけで無く人生のあらゆる場面に共通していることだと思います。

自分の人生どんなことも自分で判断して、自分で覚悟を決めると頑張れるし気持ちのいい人生が送れるのではないでしょうか。学習について「嫌々やって得た知識や体験は忘れやすいし応用力が効かない。やりたくってやって得た知識や体験は忘れにくいし応用力が効く。」このことに気付いたのもこんな経験からだったのだと思います。工場で頭を打った日の晩、父に「頭大丈夫か?」と聞かれ、見られていたことに気付きました。バカ息子でも心配だったのですね。父の日を迎えそんなことを思い出しました。