気持ちのいい生き方②思考回路

先日、教え子でアメリカの有名なボーディングスクールに進学した2人の兄弟が夏休みで日本に帰ってきました。お母さまが仕事に出ている間、2人は協力して家中を掃除し、お風呂もキッチンもピカピカに磨き上げ、疲れて帰ってきた母を迎えたそうです。そして涙ながらに感動している母に向かって、

「この方が気持ちいいでしょ!」と一言。

もちろん、そこにはお母さまに対する感謝の気持ちや褒められたい気持ちが有ったのかもしれません。しかし、それを全部ひっくるめ「この方が気持ちいいでしょ!」と一言で表した彼らに対し、私も思わず感動しました。

人は生きることに正しさを追求すると、つい息苦しくなってしまいます。なぜならば自分の正しさと他人の正しさは往々にして異なっていたり、また見る方向や時間の経過によっても変わったりするからです。また自分が正しいと思うと、他の意見を聞くことが難しくなり頑固になってしまいます。その点、気持ちのいい生き方は違います。周りの人が気持ちいいと、自然に自分も気持ちよくなり嬉しい気持ちになれます。他の人の評価を気にして生きる生き方はあまり良くありませんが、楽しくさせてあげよう、気持ちよくしてあげようと思うことは、人間関係を豊かにし幸せに直結するもだと思います。

ではどの様にしたら、そんな生き方ができるのでしょうか?それは自分に他人を喜ばせることは嬉しい・楽しい気持ちいいという思考回路を作っていくことだと思います。他人の幸せに役立つ喜びは人間生まれながらに備わっていると思います。子どもたちにそのような思考回路を持って貰う為には、周りの大人がそのような環境を作り語り掛けていくことです。「他人に失礼なことはしない」の続きとして「他の人が気持ちよくなることは自分も気持ちいい」と親や先生が実施することだと思います。子どもは「親の言ったようにはならずやったようになる。」のです。家族、学校、地域、国、世界が笑顔あふれる気持ちの良い社会になってほしいものです。