大切に生きる

サーキットブレーカー中は移動も制限されているので、ほとんどの時間を家で過ごしました。普段、なかなか出来なかった事務仕事が片付いただけではなく、映画を観る時間も作れました。折角、観るのであれば、面白いかどうかわからない新作映画よりも以前観て感動した映画をもう一度観ようと思い、グッドウィルハンティング、ニューシネマパラダイス、等々をわくわくしながら選びました。そして、観始めて驚きました。もちろんどれも素晴らしいのです。それだけではなく、全く初めて見る映画の様に楽しめたのです。そうです。映画の内容を覚えていなかったからです。若いころ映画館で観た映像は全部ではありませんが鮮明に記憶に残っています。それなのにシンガポールに来てから自宅で観た映画は覚えていないのです。自分の記憶力の衰えもあるのでしょうが、以前これらの映画を観た時の事を思い起こして見ました。

効率よく時間を使うために、部屋の片づけをしながら或いはギターの指の運びの練習をしながら、気楽にみられる日本語の吹き替えバージョンで観ていたからなのです。そこで、今回は出来るだけ深い部分まで感じ取ろうと思い英語を聞き字幕を見ながら鑑賞しました。やはり以前見た時よりも感動も味わいも深く観られました。当然、以前観た時の事など覚えていないのですが・・・。自分なりには深い部分まで見られた様な気になっています。

こんな体験をしながら、自分の中の価値観が少し変わって来ました。何かが起これば、どんなに世界的評価の高いものであっても、一瞬にして変わってしまうのです。ですから他人の決めた評価に踊らされるよりも自分の決めた大好きな物の一つ一つを大切に育てると言うか、愛でると言うか、時間をかけること自体に価値があるのだと思います。つまり、丁寧に大切に生きる事を心がけると、そこに充実や心の安定と言った深い意味での幸せがあるように感じました。早く、効率を求める生き方から一つ一つの出来事を丁寧に大切に生きる生き方を目指したいと思います。