我ながら広告の謳い文句に弱いと思います。今だけの限定!貴方だけ特別!と言うメールが来ると。「何々?」特別に優待してもらえるのなら、してもらおうかな。などとそれほど必要がない物でも注文してしまいます。
それは、ラッキーな自分の証明。他の人よりも自分の方が幸せだと思い込みたいのです。また、人からも羨ましがられたいのかもしれません。これもアドラーの言う承認欲求なのでしょう。
自分の関わる塾のジャカルタ校にインドネシアンのスタッフがいます。ロボット教室の補助に入った時のこと。同じようにそのスタッフも補助に入ってくれていました。補助ですから、事前に準備する事なく、一人一人の困っている箇所をその場で手伝ってあげればいいのです。
私は先生の説明を聞き、テキストを見ながらその場で考えて補助をするので、少しの生徒しか助けることができません。しかし、彼は的確にうまくできていない箇所を指摘し、助けていくので、多くの子供たちが楽しめています。
その的確さに驚いて尋ねてみると、毎回、家で2回作って壊して、を繰り返していると言うのです。彼の本来の仕事は事務です。でも、自ら行き詰まる子供のために補助に入ってくれています。「先生方は忙しいから僕が解っていた方がいいと思って」と言うのです。頭の下がる思いでした。優しく物静かで落ち着いた感じの彼の人生観のようなものを感じました。
誰かに評価されたり、得をする事を求めたりしているのではなく、自分がやった方がいいと思う事をやり、常に色々なものに感謝をしていました。その彼の生き方に深い感謝と共に、豊かに生きる極意のようなものを感じました。僕も彼の生き方を見習いたいと思います。
他人に幸せになんてしてもらう必要はないのです。自分の幸せは自分で決めて自分で獲得して自分が満足であればそれでいいのです。そこには意図的な承認欲求は存在しません。
昨日(2022 年 8 月 18 日)に彼が亡くなりました。久しぶりにスマトラの実家に帰っていたそうです。深い悲しみと共に心よりご冥福を祈ります。ゼッキーさん、今まで、ありがとうございました。
峯村太郎 Instagram: branchpointcounselor
峯村敏弘 はてなブログ:eisminemura
※昨年分の文章もブログに上げましたので、よろしければ読んでください。
2022年9月5日
園長 峯村敏弘